朝から動くつもりだったが“遊歩道”との戦いに疲れ、チェックアウトぎりぎりの時間まで眠ってしまった。明日からは仕事もあるので、ある程度の時間には自宅に戻らなければならない。そう、この地にいられるのは昼過ぎぐらいまでだ。ホテルを出て、最初に向かったのは絵蝋燭の店。土産物にいいだろうと見込んだものを買い込んだ。そして、会津市内をぐるぐると回るローカルバス「ハイカラさん」に乗って、会津若松城へ向かった。

 小学生の頃、戦国時代の話に興味を持った僕が初めて見た城が、この会津若松城だった。白い城壁と赤い橋のコントラストが強く印象に残っていた。ちょっとした“原点回帰”のつもりで立ち寄ったが、それなりに楽しむことができた。今回、面白いと思ったのは、会津藩校の訓示の一つ。「ならぬものは、ならぬものです」。いくつかの訓示の後に、この訓示が続く。理想への道筋を教えておいて、最後に現実一撃という実に効果的な教育だ。

 さて、会津若松城の次に僕が「ハイカラさん」が降りた場所は、飯盛山のふもと。ここには、白虎隊の墓がある。市中火災の模様を落城と早計し、切腹してしまったという悲話はよく知られているが、実際にそこから見た城はかなり遠く、僕には相当見辛かった(双眼鏡でかろうじて確認できたが……)。だれかのために死ななくてもいい文化に生きていることに少しありがたみを感じながら、山をあとにした。そして、東京へ帰る列車に乗り、日常に戻った。そんな1日。

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