韓国6日目、雨のち「めんどくさい」 【8月4日(木)】
 今日は「めんどくさい」日だった。昼前に起きると、同泊しているライターK氏からいきなり「トイレを詰まらせてしまった」と報告を受けた。僕が出発する前に部屋を出るつもりだったため、そこらに書置きが残されていたが「ふたは開けないほうがいいです」とのこと……。いきなりウンコに行く手を阻まれる1日となった。僕は最上階の16階から1階へと降りて、フロント横のトイレで用を足した。部屋に戻ったが、ウンコの詰まった便器の隣でシャワーを浴びるのは嫌気が差して、寝汗を流せぬまま出かけることとなった。これが1発目の「めんどくさい」。

 2発目は、浸かれなかった温泉を後にして大田の町を出るタクシーで起きた。運転手が「オーサカ? トーキョー?」と聞いてきたのを笑顔で「トーキョー」と答えたのがまずかった。その後は韓国語で一気に畳み掛けられ、大迷惑だった。仕方がないのでガイドブックを参考に「ハングンマル、モルラヨ」(韓国語は分かりません)と言ってみたが、運転手が黙ったのはたった一瞬だった。あまりにもやかましいため、僕らは寝たフリ作戦に出た(この移動から合流した巨匠U氏は本当に寝ていたが……)。これでようやく運転手も黙ったが、タダでは転ばなかった。今度は荒い運転からクラクションの叩き売りが始まった。そして、あれだけ韓国語でまくし立てていた運転手はこう怒鳴った。「バカヤロー!」。“してやったり”といった笑顔でミラー越しに僕の顔を見ていたが、僕は「それはお前だ」と言いたくて仕方がなかった。これが2発目の「めんどくさい」。

 韓国の新幹線“KTX”に乗る前、巨匠がトイレに行ったので荷物番をしていた。ここで3発目の「めんどくさい」が起きた。韓国人のおばちゃんが何かパンフレットのようなものを持って話し掛けてきた。何を言っているか分からなかったが、その絵柄はどうやら僕が大嫌いな“神様の押し売り”のようだった。僕はシッシッ!と手を振って追い払った。ちなみに韓国には日本の神社や寺みたいに協会がたくさん建っている。

 さて“KTX”で大邸に着いた後、ホテルに荷物を置いた僕はすぐにスタジアムへ向かった。16時から練習を取材するためだ。時間には間に合ったが、某テレビ局の人間が数人いるだけだった。選手の姿も見当たらない。おかしいなと思った頃、携帯電話が鳴った。広報担当者から練習場変更の知らせだ。メインスタジアムからサブグラウンドへ移動することになったのだが、これが4発目の「めんどくさい」の引き金となった。どうせだからと某テレビ局の方が移動バスへの同乗を誘ってくれたのでお世話になったのが事の始まりだった。運転手は韓国人。傍目に見て通れそうもないスタジアムゲートを強引に通過しようとし、ゲートの下部を天井でこすって破損(内緒)。引き返したのはいいが、今度は道を間違えまくって一騒動。結局、僕は練習開始に間に合わず、某テレビ局の人は親切心から言ってくれたのが裏目に出た結果に何度も謝ってくれたが、もう“運が悪かった”としか思わなかった。

 ところでこの日は、これまでの雨がウソのように、好天に恵まれた。寝不足が祟ったのか、僕は頭痛に襲われてしまった。写真を撮り続けたが、途中からはあまり具合がよくなかった。取材が終わり、ホテルに「タクシーを呼んでくれ」と電話で伝えたが、これがまったく来ない。今度は別局のテレビ関係者が僕と同乗して帰ることになったが、結局はその人が後から呼んでくれたタクシーに僕が乗せてもらう形になってしまった。頭は痛いし炎天下の中タクシーは来ないし、いつの間にか日に焼けているし、とにかく「めんどくさい」だらけだった。

 ホテルに戻った後は、テレビでサッカーの南北戦を見ながら原稿作成。巨匠が取材から戻って来たところで、サンゲタンを食べに出かけておしまい。最後はすっきり終わることができた。韓国出張もようやく折り返しだ。

<おまけ:バスの中でご挨拶>
某テレビ局のバスが迷走する中、僕らは名刺交換を行った(笑)。ちなみに、僕らの会社は隣接していたりする。ディレクターY氏は「練習が早く終わってしまって写真が間に合わなかったら申し訳ないです。記事は大丈夫ですか? 最悪、会社には○○局にだまされたとか報告してもらって構わないので(苦笑)」と心配してくれたが、まともに答えるなら「何とかします」としか言いようがない。そこで「“○○局、道に迷って練習遅刻”という記事でいけると思います」と冗談を飛ばしたら「勘弁してください」とさ(笑)。もちろん、そんなものを書く気はさらさらないのだけれど。

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