伯父の通夜に参列するため、東京駅から特急に乗る。京都から上京した妹と久々に会った。

 大原に着くと、亡くなった伯父の兄がおふくろとともに迎えに来てくれた。

 おふくろは、4人兄妹。上から男、男、女、女で、亡くなったのは二男だ。

 おふくろの実家へ行くと、3人の兄妹が顔を揃えていた。

 長男夫婦の2人の息子も家に戻ってきた。子どもの頃、親に連れられて来た時の光景が蘇る。

 大きなくくりで僕らは家族だった。今でも親族だが、もはや関わりは強くない。

 顔を合わせることも数年に一度になった。僕も伯父には長いこと会わないままだった。

 大学に入学してから、僕はずっと一人暮らしを続けている。実家に長い期間で帰ることもない。

 通夜へ行くと、亡くなった伯父の孫が走り回っていた。知らない所で家族が増えていた。

 家族の輪から遠ざかる日々を暮らしているが、人間本来の、家族というものの在り方を感じた。

 夏の度に訪れたおふくろの実家。それは、僕が最も家族を感じる場所だった。

 祖母はまだ健在だ。祖母がいて、長男がいて、その息子がいる家。

 そして、みんなが戻ってくる家。今は遠ざかっているけれど、忘れちゃいけない温かさ。

 伯父が死んでもなお、バカ話で笑う力を失わない。その力は、大きい。

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