「オレたちが、“渋谷・屋根裏のキング・オブ・ルーキー”ケセラ・スパンキー・ローズです」

 ステージの真ん中に立った男の宣戦布告は、そんな言葉だった。

 コミカルなバンドの後に、ロカビリーテイストの混じったロックが鳴り響く。

 最近は以前と違い、雰囲気からはじき出されることが少なくなった。

 妙な恥じらいや、貧弱なプライドや、薄っぺらい芝居や、パニックに陥った言い訳が消えた。

 彼らは、1つの世界を作り出し、空間を飲み込む。デカい口の中に入った気分になると、気持ちいい。

 いつか同じ場所でライヴを見た時に、こう思ったことがある――「渋谷の町ごと飲み込め」

 飲み込まれた者には、もはやその世界の大きさは分からない。だが、確かに以前とは桁違いである。

 何の根拠もないのだが「確かに」と書ける感覚がある。彼らはきっと、アーティストになったのだと思う。

 地下室を出た後、降り落ちる雨粒の一つ一つに、聞き取れない早口で言う。

「屋根裏のルーキーどころの騒ぎじゃねえさ」

 文句なし。以上。

コメント

nophoto
す。
2006年4月16日14:21

今回、う〜じ含む4人バンドに見られて、
よかったとです(笑

hedgehog
hedgehog
2006年4月17日1:15

この日は、ちゃんといたよ、コンちゃんも(笑)

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