抽象的な言葉には、利点と欠点がある。

 利点は、複雑な要素が絡むイメージを、全体像で伝えることができるところだ。

 世界で一番短い手紙のやり取りは「?」と「!」だったという逸話があるが、

 この場合の2つの記号は、まさに多くの要素を含む全体のイメージをつないだわけだ。

 反対に欠点は、意味する焦点をぼかすところで、相手には伝わりにくくなる。

 日本人ビジネスマンが多用する外来語は、これによるところが大きいのだろう。

 オフィスにいると、コンサバだとか、フィックスだとか、アテンドだとか、アサインだとか、

 異様なほどに外来語を取り入れている(このオフィスに外国人は1人もいない)。

 格好のついた言葉を用いることで、イメージの共有を相手方にうったえるわけだが、

 これでは、相手がその気にならなければ、何のことだかさっぱり伝わらない。

 おおよそ、利点を用いる人物は確信犯であり、欠点を用いる人物は表現の失敗からの逃走犯である。

 僕は、前者がいい。後者に憧れはない。

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