映画『HEAT』 【5月11日(木)】
「ある奴が、こう言っていた。『ヤバい気配を感じたら、30秒フラットで高飛びできるように、面倒な関係はつくるな』と」

 テレビ東京で放映されていた映画「HEAT」を見た。すでに2〜3度見たことがあるのだが、何度見ても飽きない。残念ながら、冒頭の名言は繰り返されすぎているきらいがあるのだが、ほかにも登場する言葉が好きなシーンがある。ストーリーに関わるところでは、警部補が犯人に目星を付けるきっかけが「お調子者」という口癖であるのが良い。また、ロバート・デ・ニーロ扮するニールが「いつになったら家庭を持つのか」と聞かれた時のシーンは、何気ない場面だが好きだ。「その気になったらな」。

 30秒フラットですべてを捨てられる男の生き方は、とても気に入っている。大好きなデ・ニーロが演じているから、僕にとってはたまらない。言葉だけを追うとやや冷たい感じもあるキャラクターだが、彼はほどよく人間の温かみを持っている。そして何より、自分の気持ちにウソをつかない。好きなものは好き。嫌いなものは嫌い。やりたいことはやる。そのためには、何を犠牲にすることも厭わない。セリフにも行動にも、覚悟が抱えられている。

 後悔しない生き方は、きっと簡単には選べない。でも、後悔には気持ちのいいものと、気持ちの悪いものの2種類があると思う。高校生の頃から、僕は前者を選べるようにと意識してきた。小学校の時、中学校の時に味わった一つのものへの執着こそ、自分の最大の生き甲斐だと思い、同じようにすべてをかけられるような生き方を探してきた。だから、言葉を選んだ。言葉への想いは、きっと尽きないと思ったから。この年になると、家庭を持ったりするのが普通で、そういうものに生き甲斐を感じるのも悪くないだろうと思う……ことはある。でも、僕はまだ言葉で燃え切れていない。不完全燃焼で息苦しい空気を充満させているだけだ。

「30秒フラットで高飛びできるように」とは、犯罪者ならではの言い回しだが、これは死についても同じことが言える。死はきっと、突然訪れる。その時がその瞬間であることを悟るのには、30秒もないかもしれない。さよならをする時に、僕は面倒で気持ちの悪い後悔を抱えたくはない。そのためには、後回しのものは「その気になったら」だ。そして、生き甲斐は30秒フラットで笑えるように、燃えていなければいけない。

 だから、ニールの言葉は突き刺さる。

コメント

nophoto
eisin
2006年5月13日1:43

デニーロ大好きだね、わしも。最近のは見てないけど。

「30秒フラットで高飛びできるように」っていうのは、まぁ無理な話かな。せめて「14秒フラットで100m走れる」体力を維持したい。

hedgehog
hedgehog
2006年5月13日19:51

14秒でくらっとしないように頑張って下さい(笑)

nophoto
ニックネーム無し
2006年5月13日22:50

もとい!100m全力で走れる体力はもうないわ。サードまで(80m弱)でも怪しい。「8秒でセカンドまでたどり着くように」を目標とします。

hedgehog
hedgehog
2006年5月16日19:36

>eisinさん
最近、50代とかでスポーツやってて急死なんていうニュースも多いので、くれぐれもできる範囲で楽しんでください(爆)

nophoto
eisin
2006年5月16日23:03

何が50代やねん!とはいうものの、あと半月で46だなぁ・・・

それでもだな。この前の試合では2安打1盗塁2得点だぜ、むほっ!UNDER40も奮起してほしいね>ベアーズ

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索