「流行」は、流れて行く様か、流されて行く様か。どちらにしろ、僕はその単語に鈍感である。いや、はっきり言うならば理解できていないのだ。中学の終わりか、高校の始めか。僕はある音楽を聴いている間に、流行への関心をかなり大きく失った。ほんの少し前に流行っていた曲を部屋で聴いていたら「なんだ、この曲は。これのどこが良いの?」という感覚に陥ったのだ。流行っていた当時、僕はそこそこ気に入って、その曲を口ずさんでいたりしていたはずだった。戸惑いの正体を探るために、部屋にある曲を片っ端から聴いていった。

 ハッキリしたことがある。流行に乗せられて聴いた曲というのが確実にあり、またそうでなく聴いていた曲には感覚のブレがほとんどなかった。自分の中で、その曲は錆びるのか錆びないのか。その時から、そんな感覚で音楽に接している。流行の音楽を聴くのは、ぱったりと止めた。(そのため、大学時代には鈴木あみの曲と浜崎あゆみの曲の聞き分けができずに馬鹿にされたが……)。

 音楽も、本も、絵画も、映画も、僕は偶然に出会うことを楽しみにしている。そうすると、世間とは随分異なるタイミングで、流行したものに出会うことがある。今、僕は自分の部屋でスピッツの「スパイダー」を聴いている。う〜ん、すげえいい曲だ! 前置きがとても長くなったけど、言いたいのはそれだけだ。では、また。

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