まだ年が明けて1週間しか経っていないが、深夜にテレビを付けてプロレスが放送されていたのは、今日で2度目だ。

 小学生の頃、プロレス番組を見るのが好きだった。夕方、晩御飯を食べる前の時間に、新日本プロレスを見る。当時“強かった”のは藤波辰巳や長州力で、少し後にブームを築く闘魂三銃士(武藤敬司、故・橋本真也、蝶野正洋)が台頭している時代だ。見ているうちに、プロレスの世界ならではの暗黙のルールに少しずつ気付いていった。僕が最初に惹き込まれたのは、橋本真也vsトニー・ホームの“異種格闘技戦”だった。空手家の格好をした橋本が、ボクサーの格好をしたトニーを追い込んでは敗れる展開が繰り返された。とても素直に「橋本に勝ってほしい」と思ったが、ある瞬間に醒めた。アナウンサーが「中国での修行で身につけた、これが水面蹴りだー!」とか何とか言っている間に繰り出された、その水面蹴りがあまりにも大したことのない拍子抜けの技で「そんなんで勝てるわけないだろ……」と呆れてしまったのだ。以降、日に日にプロレスからは遠のいた。仕事で再びプロレスに触れるまでは。

 ところで、当時の僕でさえ薄々感じていたとはいえ、プロレスは基本的に「だれが強いのか」をテーマとする“格闘技”のスタイルをとっている。しかし、今ではボクシングだけでなく、K−1やPRIDEなどが現れており、プロレスがそれらに“格闘技”としてのリアリティで劣るのはもはや明白だ。プロレスにはプロレスの魅力・面白さがある。少なくとも僕はそう思っている。彼らは「だれが“プロレスラーとして強いか”」を争い続けている。しかし人気は落ち、テレビ放送も深夜枠に追い込まれた。そんな現代で、子どもの目にプロレスはどんなふうに映るのだろうか。少し興味がある。

<おまけ>
そう言えば、以前にだれかが言っていた。新聞記事に「子どもがK−1の真似事をしてケガ」と書かれていたと。以前ならば、それは間違いなく「プロレスごっこをしていてケガ」だったと。

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