競技かショーか 【3月4日(日)】
2007年3月4日 競技者とショーマンをリングに放り込んだら、見事な退屈が出来上がった。K−1のジェロム・レ・バンナ(フランス)vs澤屋敷純一(日本)をテレビで見たが、ひどい内容だった。この試合は澤屋敷を応援する目線で語ると、それなりに得るものがある。「まだK−1では無名の澤屋敷が、弛むことのないステップで豪打のバンナを完封。カウンターとラッシュでダウンを奪い、金星を挙げた」といったところだ。しかし、僕の感想としては、リングでは何も噛み合っていなかったとしか言いようがない。
これが“真剣勝負”なのであれば、澤屋敷のパフォーマンスは見事の一言に尽きる。ベタ足のバンナをステップワークで翻ろうして、追いかけさせてスタミナと集中力を奪った。そこへ“うっとうしい”パンチを打ち込み、相手がカッとなって大振りになるところへカウンター。バンナ対策としては、これ以上ない作戦勝ちだ。
しかし、いかんせん一方のバンナは「打ち合いを見せる」プロとしてのショーマンシップに固執していた。手っ取り早く打撃戦に応じさせるために、真正面から相手を追って大きなパンチを振るう。多少のリスクはあえて背負ってでも。ところが、相手は“競技”をしているのだから、不利な打ち合いには応じない。競技を追う澤屋敷と、ショーを求めるバンナの“追いかけっこ”が最後まで続けられた。
一人(澤屋敷)が競技を行い、一人(バンナ)がショーを行っている。当然、どちらも不完全だ。だから、僕は「バンナに勝ったことはすごいことだ」とも思わないし、「KOできないバンナは大したことない」とも思わない。ただ「これは何なのだろう?」という大きな疑問符だけが脳裏に残るだけだ。この試合には何の価値があるのか。僕には分からない。ひどく退屈な時間だった。
これが“真剣勝負”なのであれば、澤屋敷のパフォーマンスは見事の一言に尽きる。ベタ足のバンナをステップワークで翻ろうして、追いかけさせてスタミナと集中力を奪った。そこへ“うっとうしい”パンチを打ち込み、相手がカッとなって大振りになるところへカウンター。バンナ対策としては、これ以上ない作戦勝ちだ。
しかし、いかんせん一方のバンナは「打ち合いを見せる」プロとしてのショーマンシップに固執していた。手っ取り早く打撃戦に応じさせるために、真正面から相手を追って大きなパンチを振るう。多少のリスクはあえて背負ってでも。ところが、相手は“競技”をしているのだから、不利な打ち合いには応じない。競技を追う澤屋敷と、ショーを求めるバンナの“追いかけっこ”が最後まで続けられた。
一人(澤屋敷)が競技を行い、一人(バンナ)がショーを行っている。当然、どちらも不完全だ。だから、僕は「バンナに勝ったことはすごいことだ」とも思わないし、「KOできないバンナは大したことない」とも思わない。ただ「これは何なのだろう?」という大きな疑問符だけが脳裏に残るだけだ。この試合には何の価値があるのか。僕には分からない。ひどく退屈な時間だった。
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