きっと違う【6月22日(金)】
2007年6月22日 風変わりな人というのは、それほど珍しいものでもない。独り言や奇声を発する人を駅や電車で見かけるのは、さして驚く出来事ではないのだ。
僕は、電車の車両内でドア付近に立っていた。すると、新たな乗客が僕と同じドア付近の反対側に立った。互いがドアの方を向くから、自然と向き合うような形になる。彼の耳にはヘッドフォンが当てられていたが、音が漏れ聞こえてくる。曲までは分からないが、ハードロック調のように思われる。
さて、そんな彼は冒頭で記したような、独り言や奇声を発する人である。ヘッドフォンから流れてくる曲に合わせているのだろう。何とは聞き取れない擬音を口ずさみ始めた。
ツツ、ふふふーん、ダッダッダ
だれもが「変な人が同じ車両に乗っているな」と目を向ける。彼がどんな感性の持ち主であれ、そのように見られることは避けられないだろう。それはやはり、一般的には「奇怪」と呼ばれる光景だから。
だが、ここまでの話なら特に記すほどのことではない。では、なにゆえにこの話を書いたかと言えば、彼がその後とんでもないことを口走ったからである。彼は、ついに擬音ではなく、歌詞を口にしたのだ。しかし……。
♪げすいどぅ〜 ふふふーん♪
僕は、絶対にそんな歌詞の歌ではないと思うのだが、飛び切りの笑顔でそう歌った彼に声をかけることなど、考えはしなかった。“王様”の直訳ロックだろうか。いや、きっと違うのだ。そう、きっと違うのだ。
僕は、電車の車両内でドア付近に立っていた。すると、新たな乗客が僕と同じドア付近の反対側に立った。互いがドアの方を向くから、自然と向き合うような形になる。彼の耳にはヘッドフォンが当てられていたが、音が漏れ聞こえてくる。曲までは分からないが、ハードロック調のように思われる。
さて、そんな彼は冒頭で記したような、独り言や奇声を発する人である。ヘッドフォンから流れてくる曲に合わせているのだろう。何とは聞き取れない擬音を口ずさみ始めた。
ツツ、ふふふーん、ダッダッダ
だれもが「変な人が同じ車両に乗っているな」と目を向ける。彼がどんな感性の持ち主であれ、そのように見られることは避けられないだろう。それはやはり、一般的には「奇怪」と呼ばれる光景だから。
だが、ここまでの話なら特に記すほどのことではない。では、なにゆえにこの話を書いたかと言えば、彼がその後とんでもないことを口走ったからである。彼は、ついに擬音ではなく、歌詞を口にしたのだ。しかし……。
♪げすいどぅ〜 ふふふーん♪
僕は、絶対にそんな歌詞の歌ではないと思うのだが、飛び切りの笑顔でそう歌った彼に声をかけることなど、考えはしなかった。“王様”の直訳ロックだろうか。いや、きっと違うのだ。そう、きっと違うのだ。
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