都心に初雪が降った16日の夜、学生時代の友人から電話がかかってきた。卒業後は特に連絡を取ってはいなかったのだが、昨年たまたま電車内で再会したのがきっかけで、時折飲みに行くようになった。というのも、彼が隣町に住んでいるということだったからだ。

「ちょっと助けてほしい」――聞けば、電車内でスリの被害に遭い、現金やキャッシュカードはおろか部屋の鍵も失い、夜遅いために大家さんが電話に出ないのだと言う。財布とは別にポケットにあった千円札で電車の切符代は払ったものの、宿も宿代もないとのことで、部屋に泊めることにした。

普段「あって当然」のものがなくなると、本当に不便だ。彼が実家暮らしであれば、家族の助けがあるだろう。クレジットカードの使用を止める面倒はあっても「物がなくなった」だけに話は留まる。だが、一人暮らしは自由でありながら、不自由でもある。やはり世の中、都合の良いものだけを選ぶことはできないようだ。

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